新年を迎えるにあたり、宮内庁は1日、天皇陛下のビデオメッセージを公表した。新型コロナウイルス感染症の影響で、例年1月2日に行ってきた新年一般参賀を取りやめた代わりの措置。皇后雅子さまと並び、画面に向かって「今年が、皆さんにとって、希望を持って歩んでいくことのできる年になることを心から願います」と語った。
陛下は冒頭に「皆さん新年おめでとうございます」と述べ、雅子さまも「おめでとうございます」と続いた。その後、陛下はコロナ禍の昨年を振り返り、「様々な理由により困難な状況に置かれている人々の身の上を案じています」と思いやった。
今後については「人々が将来への確固たる希望を胸に、安心して暮らせる日が必ずや遠くない将来に来ること」を信じ、「皆が互いに思いやりを持って助け合い、支え合いながら、進んで行くことを心から願っています」と述べた。
雅子さまも「今年が、皆様にとって少しでも穏やかな年となるよう心からお祈りいたします」と語った。
陛下のビデオメッセージは初めて。これまで文書で発表してきた新年の感想を兼ね、メッセージの長さは約6分45秒に及んだ。宮内庁のホームページで1日午前5時半以降、公開される予定。宮内庁によると、お二人による発言は、両陛下で判断したという。
また、宮内庁は同日、天皇、皇后両陛下と長女愛子さま、上皇ご夫妻、秋篠宮ご一家それぞれの新年用の写真を公開した。感染症の拡大を予防するため、別々に撮影された。新年用の写真は、おおむね昭和30年(1955年)代以降、天皇ご一家が一堂に会して撮影されており、別々の撮影は初めてという。
新年にあたっての両陛下の歌の公表は見送られた。天皇のビデオメッセージは、上皇さまが2011年3月の東日本大震災時と、退位の意向を示した16年8月にそれぞれ宮内庁を通じて出した。(長谷文)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル